「新商品をつくりたいけど、本当に売れるか分からない」
「在庫をたくさん作ってから売れなかったら怖い」
「一般販売する前に、ある程度の実績をつくれないだろうか」
新商品をつくる時には、こうした不安があります。
僕は、そんな時にクラウドファンディングを使う方法があると思っています。
クラファンというと、
商品をつくるためのお金を集める場所
というイメージが強いかもしれません。
もちろん、製造資金を集める使い方もあります。
でも新商品の場合は、それだけではありません。
僕が特に大きいと思っているのは、
一般販売する前に、実際にお金を払ってくれる人がいるかを確かめられること。
です。
2026年9月時点でCAMPFIREも、新商品・ガジェットのクラウドファンディングについて、量産前に予約を集めて需要を確かめ、予約数をもとに初回生産数を決めるテストマーケティングとして活用できると案内しています。
僕は、新商品クラファンを、
「つくるためのお金を集める」だけではなく、「売る前に市場へ聞いてみる」方法
として考えています。
通常の商品開発では、
商品を考える。
試作品をつくる。
製造数量を決める。
商品をつくる。
在庫を持つ。
販売する。
という順番になることがあります。
当然ですが、
商品をつくった時点では、まだ売れるかどうかは分かりません。
100個つくって10個しか売れないかもしれない。
1,000個つくったら、在庫が大量に残るかもしれない。
反対に、
100個しかつくらなかったのに、500個欲しい人がいるかもしれない。
そこでクラファンを使うと、
本格的な一般販売の前に、先に予約・支援を集める
という順番をつくれます。
CAMPFIRE公式でも、量産前に予約を集め、その数から初回生産数量を決められることを、新商品クラファンのメリットとして紹介しています。
新商品について、
「友達に見せたら評判がよかった」
「アンケートでは欲しい人が多かった」
という話があります。
もちろん参考にはなります。
でも、
「いいですね」と言ってくれることと、お金を払って買ってくれることは別です。
クラファンでは、
実際に価格を提示して、
その商品を欲しいと思った人に支援してもらいます。
だから僕は、
アンケートとはまた違う、
実際の購入行動に近い反応
を見ることができると思っています。
もちろん、クラファンで売れたから一般販売でも必ず売れるわけではありません。
クラファンには、
応援。
限定性。
先行販売。
ストーリー。
など、一般販売とは違う要素もあります。
だから、
クラファン成功=市場で必ず成功
とは考えません。
でも、
一般販売前に、
「この価格で、これくらいの人が実際にお金を払ってくれた」
という結果が見えることには価値があります。
製造する商品では、
「最初に何個つくるか」
がかなり重要です。
少なすぎれば機会損失になる。
多すぎれば在庫リスクになる。
クラファンで先に予約を集めれば、
100人支援した。
500人支援した。
このリターンが一番選ばれた。
セット商品の需要が想定以上だった。
など、実際の反応を見てから次の生産を考えることができます。
つまり、
先に大量につくってから売るのではなく、先に反応を見てから量産へ進む。
という設計ができます。
新商品をつくる企業にとって、これはかなり大きなメリットだと思っています。
クラファンでは、
どの価格帯が選ばれたかも見えます。
たとえば、
7,980円の超早割。
9,800円の早割。
12,000円の通常セット。
19,800円の2個セット。
などを用意した場合、
どこが一番動いたのか。
どのくらい価格が上がると反応が変わったのか。
セット需要はあるのか。
という情報が取れます。
ただし、
安くすれば売れる、
という話ではありません。
以前の記事でも書いたように、
価格は「いくらで売りたいか」ではなく、「その金額で支援する理由があるか」
から考えます。
リターン価格の考え方は、「クラファンのリターン価格はいくらにする?|支援されやすい価格帯の考え方」でも詳しくまとめています。
僕が企業のクラファン活用でかなり面白いと思っているのが、
一般販売前に実績をつくる
という使い方です。
たとえばクラファンで、
500人が支援。
支援総額500万円。
1,000個を先行販売。
という結果が出たとします。
クラファンが終わったあと、
その商品を一般販売する。
すると、
ただの、
「新商品発売!」
ではありません。
「クラウドファンディングで500人が支援した商品」
「先行販売で500万円を達成した商品」
という状態から一般販売を始められます。
店頭。
ECサイト。
営業資料。
展示会。
卸先への提案。
プレスリリース。
などでも、
一般販売前の実績として見せられる可能性があります。
これは、
クラファンそのものを売上で終わらせず、その後の販売に使う
という考え方です。
僕は新商品クラファンを考える時、
クラファン期間だけを見ないようにしています。
クラファン
↓
一般販売
↓
小売店
↓
卸販売
↓
リピート
↓
次の商品
まで見ます。
たとえば、
クラファンで1,000万円集まった。
でも、そのあと一般販売で売れない。
では、事業として考えると少し違います。
反対に、
クラファンは300万円だった。
でもそこで100人のお客さんができて、
口コミが生まれ、
一般販売が伸び、
取扱店が増えていった。
なら、クラファンをやった意味は大きい。
だから僕は、
クラファンでいくら集めるかだけではなく、「クラファンのあと何につなげるのか」まで先に考える
ことが大切だと思っています。
新商品で一番難しいことのひとつが、
最初のお客さんをどうつくるか
です。
まだ誰も使っていない。
レビューもない。
実績もない。
そんな商品を、最初に買ってくれる人が必要です。
クラファンでは、
商品の完成だけではなく、
なぜつくったのか。
どんな課題を解決したいのか。
誰に届けたいのか。
というストーリーも伝えられます。
その考え方に共感して、
「完成する前から応援したい」
と思ってくれる人が出てくることがあります。
CAMPFIREも、新商品クラファンでは先行販売だけでなく、発売前から商品を知ってもらい、支援者へ継続して活動報告を届けられる点を紹介しています。
僕は、この人たちを単なる「初回購入者」とは考えません。
最初から商品づくりに関わってくれた人
になってもらえる可能性があります。
クラファンをすると、
支援者から、
「こういうサイズが欲しい」
「この使い方もできそう」
「この色があったらうれしい」
「セット販売してほしい」
といった声が出ることがあります。
もちろん、すべてを反映する必要はありません。
でも、
商品を実際に欲しいと思っている人の声なので、
次回生産。
一般販売。
新しいリターン。
次の商品。
を考える材料になります。
実際、CAMPFIREでも再挑戦・再販売された商品の中には、購入者の声をもとに素材や仕様を改善した事例が紹介されています。
つまりクラファンは、
販売しながら商品を育てる場所
にもなり得ます。
新商品を販売しても、
誰にも知られなければ売れません。
クラファンを実施すると、
公開前から、
「こんな商品をつくっています」
と発信できます。
公開したら、
「クラファン始まりました」
と発信できます。
達成したら、
「100%達成しました」
と発信できます。
終了前には、
「あと3日です」
と発信できます。
終了後には、
「○人に支援していただきました」
と発信できます。
つまり、
商品発売に関するニュースを何度もつくれる。
ただ商品を、
「新発売しました」
と1回発信するだけより、
発売までの過程そのものをコンテンツにできます。
ここは、かなり大切です。
クラファンをすれば、
新商品が勝手に売れる。
CAMPFIREに掲載すれば、
テストマーケティングになる。
というわけではありません。
そもそも人に届けなければ、
反応そのものが集まりません。
100人しか商品を知らない状態で、
「売れなかったから需要がない」
と判断するのも違います。
クラファンで市場の反応を見るなら、
見るために必要な人へ、ちゃんと届けること
が前提です。
SNS。
既存のお客さん。
取引先。
イベント。
試食会。
体験会。
広告。
メディア。
インフルエンサー。
さまざまな方法があります。
クラファンは、
商品を置いて市場調査する場所ではなく、商品を市場へ届けながら反応を見る場所
だと思っています。
これは少し厳しい話ですが、
クラファンをやって、
思ったより支援されなかった。
という場合もあります。
でも、それで終わりではありません。
価格が高かったのか。
商品そのものが分かりにくかったのか。
ターゲットが違ったのか。
発信が届かなかったのか。
リターンの見せ方が悪かったのか。
そもそもの需要が弱かったのか。
原因を考えます。
一般販売する前に、
こうした問題が見えたなら、
大量に在庫を持ったあとで分かるよりいい
という考え方もできます。
クラファンは、
成功した時だけデータが取れるわけではありません。
思ったように売れなかったことも、市場からもらった答えのひとつ。
です。
ただし、もうひとつ注意したいことがあります。
クラファンで100個しか売れなかった。
だから一般市場でも100個しか売れない。
とは限りません。
逆も同じです。
クラファンで1,000個売れた。
だから一般販売でも必ず売れる。
とも限りません。
クラファンには、
支援する文化。
早割。
限定性。
ストーリー。
起案者との関係。
という特殊な要素があります。
だからクラファンの結果は、
市場を判断する材料のひとつ
として使います。
絶対的な答えにはしません。
この距離感は大切だと思っています。
僕が新商品クラファンで最も大切だと思うのは、
クラファンだけを単独で考えないことです。
クラファン前には、
試作品。
既存顧客。
SNS。
市場調査。
があります。
クラファンでは、
先行販売。
反応確認。
支援者づくり。
販売実績づくり。
があります。
そしてクラファン後には、
一般販売。
EC。
小売店。
卸。
リピート販売。
があります。
この一連の流れをつなげます。
クラファンは商品のゴールではなく、一般販売へ進む途中のステージ。
という考え方です。
新商品の相談を受けたら、僕なら少なくとも、
誰が買う商品なのか。
一般販売価格はいくらなのか。
何個売れれば製造できるのか。
クラファン終了後、どこで販売するのか。
クラファンでどんな実績をつくりたいのか。
を確認します。
目標金額だけを決めて、
「とりあえずクラファンやりましょう」
にはしません。
クラファン終了後まで考えてから、
逆算してリターンや目標金額をつくります。
「新商品をクラファンで売る意味って何ですか?」
と聞かれたら、
僕なら、
資金調達だけではありません。
と答えます。
量産前に需要を見る。
最初のお客さんをつくる。
適正な価格帯を探る。
商品への声を集める。
PRする。
そして、
一般販売前に、実際に売れたという実績をつくる。
その実績を、
クラファン終了後の販売へつなげる。
だから僕は、新商品クラファンを、
「商品をつくるためのクラファン」ではなく、「商品を世の中へ出すための最初の市場」
として考えることがあります。
クラファンで成功することだけを目標にせず、
一般販売後まで伸びる商品をつくるために、クラファンをどう使うか。
そこまで設計できると、新商品にクラウドファンディングを使う意味はかなり大きくなると思っています。
法人・企業がクラファンを活用する方法|資金調達だけではない7つの使い方
クラファンのリターン価格はいくらにする?|支援されやすい価格帯の考え方
CAMPFIREの平均支援額はいくら?|目標金額から必要な支援者数を考える方法
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